デザイン提案・プレゼン方法を伝授!【成功する秘訣とは?】
デザインメンターのTAKAです。
「デザイン提案をしなくちゃいけない。はじめてだからどういった流れで、どんなポイントで説明したらいいのかわからない」
このような方に向けた記事をご用意しました。
僕はWebディレクターとして、ホームページ案件を中心に、10件以上は常時、クライアントワークを抱えている人間です。
当然、デザイン提案をする機会がたくさんあります。
今回はその経験を生かして、僕がいつもやっているフローを簡単に教えますね。
目次
デザイン提案にまつわる悩み・・・
デザイン提案をするデザイナー・ディレクターが遭遇する悩み。
以下に、デザイン提案を行う際によく抱えるケースをいくつか挙げてみましょう。
1.クライアントの理解が得られない
クライアントがデザインの価値や意図を理解できない場合、提案が通りにくくなります。デザイナーは自身のアイデアやコンセプトを効果的に伝える方法を見つける必要があります。
2. 期待値のギャップ
クライアントとデザイナーの期待が大きく異なる場合、双方にフラストレーションが生じる可能性があります。明確なコミュニケーションにより、期待値のギャップを最小限に抑える必要があります。
3. 制約の多さ
予算、時間、技術的制約など、多くの制約の中でデザインの質を維持することは難しいことがあります。これらの制約の中で、最適なデザインソリューションを見つけ出すスキルが求められます。
4. クライアントの不確かな要望
クライアントが何を望んでいるのかはっきりしていない、または要望が変わりやすい場合、デザイン方針を定めるのが難しいことがあります。クライアントとの密接な協力とコミュニケーションが必要です。
5. 他の提案との競合
他のデザイナーやエージェンシーからの提案と競合する場合、独自性や創造性を高めて提案を目立たせる必要があります。
6. セルフダウト
デザイナー自身が提案するデザインに自信を持てない、または自分のアイデアに不安を感じることがあります。自信を持つことが、クライアントを納得させる一歩となります。
7. フィードバックの処理
クライアントからのネガティブなフィードバックや修正要求をどのように受け止め、どのように処理するかは、デザイナーにとって大きな悩みの一つです。
8. 時間管理
プロジェクトのスケジュール管理や時間配分は、デザインのクオリティと直結します。適切な時間管理を行いながら高品質なデザインを提供する必要があります。
デザイン提案とその重要性:クライアントとデザイナーが一体となる
プレゼンによって全体像を伝えられる
デザイン提案の目的は、単にデザインを見せるだけでなく、プロジェクトの全体的な方向性を明らかにすることになります。これには、クライアントが「解決した課題」を、デザインを通じてどのように達成するかの戦略が含まれます。
つまりデザイン提案は、自分とクライアントと「目的」を互いに共有しあうことで、「デザイン」というプロジェクト(=共通のゴール)に向かうためのステップを話し合います。
もし認識にズレが生まれれば、このタイミングで方向性を修正できます。
デザインが通りやすくなる
自身でどれだけデザインが素晴らしいと感じたとしても、伝え方が悪ければクライアントにその良さは届きません。
事実、僕は色々な業種・業界のWebデザインを、数多くのクライアントへ提案してきましたが、「これはイケてるな」と自信満々で提案したとしても、全く響かない時期もありました・・・。
そのときにいつも言われたのが、「クライアントの意向って組んでる?」「なんでこのデザインにしたの?」というのが大半。
つまりデザイン提案を論理的に行うことで、「なるほどだからこういうアウトプットになったのね」とデザインに説得力を与えて、企画も通りやすくなります。
デザイン提案を通りやすくする方法
最初の打ち合わせでクライアントの要望をすり合わせて理解すること。
皆さんはデザインを作るときに、「クライアントの要望」をちゃんと把握していますか?
クライアントの要望を深く理解しないまま、デザインを作ると、「クライアントが全く望んでいないデザイン」を提案することになり、同意が得られません。
僕はデザイン提案をするときには、必ず最初のミーティングで「クライアントが何を求め、どのような結果を望んでいるか」をちゃんとすり合わせます。
すり合わせるとは、勝手にこちら側が認識するだけでなくて「〇〇ということですよね?」と誘導して、クライアント側にも把握させるようにしています。
多くのデザイナーは「クライアントの要望を理解」していなくて、「デザイン的に綺麗」や「トレンドだから」という、表現上の理由からデザインをしています。
これでは正直、デザイン提案は通らないです。
だからこそデザインをディレクションする側は、クライアントの求める結果や目標を明確に示して、デザイナー含めてプロジェクトチーム全体に浸透させることで、方向性が統一されること。そして目標達成に向けた具体的かつ効果的なデザインを考えていく必要があります。
クライアントの要望は例えば下記のようなものがあります。
- デザインを通してブランドのイメージや価値を強化したい
- お問合せ数を増やしたい(Webで言えばコンバージョンを獲得したい)
- 営業と連携するので名刺がわりで
デザインコンセプトを立てて説明する。
デザイン提案において、デザインコンセプトを定義することも重要。
デザインコンセプトとは「なぜこのデザインにしたのか?」という根幹部分のこと。根幹を作るためには当然、「課題」「ターゲット」「ニーズ」「USP」などのような解像度を上げていく作業をしていくため、それの部分を整理した上で、「だからこそこのデザインにしました」と論理的に積み上げて作るデザインはめちゃくちゃ強い。
なぜならそこには「必然性」があるから。
これは、クライアントだけでなく社内メンバーとの共通理解も生まれるため、コンセプトが具体化することで、デザインの目指すべき方向や追求すべき価値を明確にする意味でも重要です。
成功するデザイン提案・プレゼンのフロー
「目的」を明確にする
デザイン提案の最初のステップでは、「デザイン」というアウトプットで、何を達成したいのか(=目的)を明確にし、クライアントのメリットを含めて強調します。
目的とは「あるべき姿・ゴール」です。
すべての提案は「いま=現状」と「あるべき姿・ゴール=理想」とのギャップどう埋めるのかを戦略的に考えることです。したがって、まず目的を明確にしておくことで、デザイン提案自体に説得力が増します。
そのためには「いま目的の達成するために障害となっているどんな課題があるのか」を改めて整理をするのです。
課題をしっかりと言語化することで、新しいデザイン提案するための裏付け・根拠になるので、課題はクライアントとともに共通認識ともつようにするべきです。
ターゲットの明確化
デザインはかならず受け取る相手=ターゲットがいます。そのため想定しているターゲットをきちんと整理しておくことで、「このデザインは誰に向けて作っているの?」という判断基準ができます。
判断基準ができれば、「彼らはこう感じると思うので、〇〇という装飾をいれました」と説得力のある正しい提案ができます。
またターゲットを明確にすれば、よくありがちなクライアント・デザイナーの主観でデザインの良し悪しを決めることがなくなります。
全体のコンセプトの提案(方向性)
デザインにおける最終ゴール地点です。
ここではあくまでもビジュアルではなく、Webサイトによってどうしたいのかを大きな方向性を示す役割があります。
サービスや企業の独自の価値を表現したいのか、社会に新らたな提案をするのか、
ビジュアルコンセプトの提案
続いてビジュアルのコンセプトを示します。定めたターゲットに対して「どういう印象を与えたいか」というビジュアルの方向性を伝えます。
キーワードを用いることで優先度の高いキーワード群をイメージスケールに落とし、全体の配色やトーン&マナーの大きな方向性を決めています。
デザインの細かい解説
デザイン提案のプレゼンでは、デザインの各要素を詳細に説明し、クライアントにデザインの細かいポイントを説明してきます。
ここではデザインの「表現手段」を解説していくイメージです。
例えば下記のようなものです。
【フォント】
- フォントサイズ・フォントの種類
【配色】
- カラーリング
【装飾】
- アイコン
- テクスチャー
- モチーフ
- アニメーション
【写真】
- どのような写真を撮影するか?
【CTA周り】
- 画面幅の想定
- CTAボタン
デザインは様々な要素で論理的にバランスよく組み立てられており、要素を目的に応じて使いこなすことで、達成したい成果を生生み出すことができます。
例えばお問い合わせを獲得したいのであれば、「CTAボタンを目立たせたいので、同系色を使わずに補色を使い周りの要素とのコントラストをつけます」という説明もできます。
また「要素に一貫性をもたせて統一感のあるデザインにする」や、「オブジェクトや線など異なった要素を使って多様性を表現する」など
感想を聞く
最後にクライアントに率直な意見を聞きます。
クライアントの意見やフィードバックをもとに、デザインをどう修正していくブラッシュアップしていきます。
ここで大切なのはクライアントの言いなりにはならないこと。
あくまで「目的」や「コンセプト」に沿ったデザインを作っているはずなので、「主観的すぎるフィードバック」に対しては、「それって違いますよね?」というふうに理由を伝えた上で拒否する勇気が必要。
ときにクライアントの意向を反映するあまり「明らかにコンセプトから外れている」ケースもあるからです。